代表的な症状は以下の4つです。体験直後にこうした症状が出現することは普通ですが、それが体験後1カ月経っても続き、生活の妨げになっている場合にPTSDの診断がつきます。
●侵入症状=再体験症状
その体験の記憶が当時の恐怖や無力感とともに、自分の意志とは無関係に思い出され、まだ被害が続いているような現実感を生じます。
●回避・麻痺症状
出来事を思い出させるものを避けたり、出来事の記憶を思い出せなかったり、人ごとのように感じたりすることがあります。
●認知と気分の陰性変化
持続的で過剰に否定的な信念を持つようになったり、様々なことに関心や興味を持てなくなったり、以前は楽しめていたことが楽しめなくなったり、
他者から孤立していると感じたり、幸福感や優しさなどの感情が持てなくなったりすること等がこの症状に含まれます。
●過覚醒症状
いつも気持ちが張り詰め、ドキドキしたり、物音にひどく驚いたり、怒りっぽくなったりします。
これらの慢性化したPTSDではトラウマ記憶の一部が「回避」によって思い出されず、記憶が断片化し、記憶の全体を整理することができません。
そのために過去のことだと実感することができず、
不安や恐怖が悪化したり、必要以上に自分を責めたり、人間不信になったりします。
これを整理して、「トラウマ記憶は過去のことであり、思い出しても今の自分が被害を受けるわけではない」と実感してもらうことが治療の要点です。
トラウマケアは専門的な知識と、定期的講習会や研修会を受けているカウンセラーや心理士と行うことが重要です。
問い合わせ等をする際には、必ず先方に確認するといいと思います。