ADHDを持つ人で、病院を受診したり、カウンセリングを受ける人の多くは、生活の中での悪循環に巻き込まれてしまっている人が多いです。
あまりにも長くうまくいかないことが続いているため、現在の状態から自分が変化をすることは考えられない、と言う人もいるかもしれません。
しかし、ADHD傾向を持つ人の中には、その傾向のプラスの面が評価され、世の中で活躍している人もいます。
現状としてうまくいっていない人でも、適切な支援や治療を受けることにより、ADHDの特性自体は変わりませんが、
学校や職場、社会への適応の度合いは向上することが多いと考えられています。

ADHDという診断を受けた場合には、まずは主治医との治療関係、心理士とのカウンセリングが良い形で築かれることが大切です。
おとなのADHDの人は、もともとの特性から通院日や通院時間を忘れてしまったり、服薬が規則的にできなかったりするので、
主治医や家族とも相談して、服薬や通院が安定してできるシステムを構築していく必要があります。
通院日や通院時間に関しては、手帳やスマートフォンのスケジュール管理アプリを使用したり、
家族にも予定を伝えて当日の朝に確認してもらったりする工夫やサポートが必要となります。
服薬に関しても、百円均一ショップなどで手に入る1カ月や1週間単位で服薬状況を確認できる
「服薬カレンダー(1日ごとにポケットがついていて、その日に服用する薬を入れておく)」や
「週間ピルケース(1週間の薬を曜日ごとに入れて整理する)」などを活用して自分でチェックできるシステムを構築するとともに、
家族にも日々チェックしてもらうようにするサポートも考えていく必要があります。

また、ADHDへの理解とそれに伴う自己理解を進めていくことが重要だと思います。