家族間で発生する問題としましては、家庭内暴力(DV)、不登校、
引きこもり、夫婦喧嘩、介護問題などなど、いろんな問題があります。
そのうち、家庭内暴力(DV)、不登校、引きこもりなど、
子供が引き起こす問題については、
その子供だけに原因があるのではないのです。
実は、家族全体のあり方が問題を引き起こしているので、
その子供だけを矯正したり、治療したりしても、結果として
改善にいたらない場合がほとんどです。
たとえば、家庭内暴力(DV)、不登校、引きこもりなどを起こす子供については、
精神に異常があるのではなく、これまで育ってきた家庭内に、どこかしらいびつなルールや考え方、
意識や習慣があった証拠なのです。
このような場合、子供だけを責めるのではなく、
まずは、両親の考え方や生き方、生活態度を見直す必要があります。
たとえば、学歴偏重の家庭で、勉強勉強とばかり言って、
遊ぶことを許さず、友達と関わっている時間があれば
勉強しなさいというような家庭があったとします。
そうすると、子供は小さいうちは、親に反抗する力もないので、
仕方なしに親の言うことにしたがっていきます。
そして、親の言うことが正しいんだろうと自分に言い聞かせます。
しかし、大きくなってくると、
親の言っていることに違和感や矛盾、これは違うだろうという
本能的な反発が起こってきます。
そして、それが爆発した時に、家庭内暴力や不登校、
引きこもりなどが、勃発するのです。
このような場合、子供を責めただけでは何も解決しません。

まず最初にするべきことは、その家庭の根底にある学歴偏重主義をぶち壊し、
学歴はあくまでも一つの価値であり、それ以外にも大切なことは
たくさんあるのだということを理解しなおさないといけないのです。
それができるかどうかは、まさに両親にかかっています。
実は、子供は素直なもので、両親の心が変われば、
子供の態度もすぐに変わります。
このような意味で、子供こそが被害者と言えます。
しかし、両親の心を変えることは、なかなか難しいところです。
なんと言っても、長年そうであると考えてきた意識や、
悪しき習慣を変えることは、並大抵のことではありません。
しかし、子供にいろんな問題がでてきているのは、実は、その意識を変えなさいという

「お知らせです」。

大決心して、両親の心に大改革をおこなわないといけません。
このように、問題を起こしたのが子供だとしても、
子供だけの原因ではなく、家庭が持つおかしな意識や考え方が、
子供を通して発症したと考えるとよいのです。
したがって、子供だけを治療するのではなく、
家族全体を治療する必要があります。
そして、このような考え方をもとに、家族全体を治療していくのが、

「家族療法」です。